
株式会社研進/会社概要
株式会社研進は、社会福祉法人進和学園(神奈川県平塚市の障害者福祉施設)の営業窓口会社として、Honda(本田技研工業株式会社)様よりご発注頂いている自動車部品組立の仕事を中心に、障害のある方々と「働く喜び」「役立つ喜び」を分かち合っています。
進和学園は、就労支援及び生活介護・相談事業等を手掛け、知的障害のある方を中心に約500名の皆様にご利用頂いています。
進和学園と研進が、夫々の専門性を活かして役割を分担しながら連携を保つ「分業」と「協業」のスタイルが事業運営の特徴と言えます。特に、営業窓口機能を公的資金(福祉施設に対する自立支援給付)に依存しない会社組織とすることにより、意識改革及び企業的営業手法の導入を図り、日本の障害者福祉制度が抱える構造的な弱点を克服することを目指しています。
ホンダ車部品の仕事は、1974年の「進和職業センター」開設以来、Honda様の深いご理解ご支援の下、工程管理及び品質保証の実践を通じて、ディーセント・ワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)の提供に努めて参りました。現在、福祉工場「しんわルネッサンス」及び連携福祉施設の社会福祉法人小田原支援センターに仕事を仲介しています。
一方、経済環境の変化に対応して、仕事の確保、所得対策の強化に向けた事業の多角化を推進、「福祉」と「企業」との連携、自主製品の開発・販売促進、「いのちの森づくり」プロジェクト、施設外就労(企業内就労)、「湘南とまと工房」、「湘南リトルツリー」「ブルーベリーガーデンしんわ」等の新事業にも注力しています。
また、障害者雇用促進法に基づく在宅就業障害者支援制度(自宅以外の福祉施設も対象)における「在宅就業支援団体」として厚生労働省に登録され(神奈川県で登録第1号)、同団体としての業務も行っています。本制度を適用して、発注企業であるHonda様(2008年度~/自動車メーカー初)、(株)ホンダロジスティクス様(2017年度)及び地元スーパーの(株)しまむら様(2013年度~/スーパー業界初)等に、国より特例調整金が支給されています。
尚、これまで蓄積して来た経験と現場からの問題意識を踏まえ、ささやかですが、我が国の障害者福祉に資する発信・提言も行って参りたいと考えています。
商 号 | 株式会社 研 進 (Kenshin & Co., Ltd.) |
所在地 |
■本店 |
設 立 | 1974年7月16日 |
資本金 | 1,000万円 |
代表者 | 代表取締役 出縄 貴史 |
業務内容 |
1.社会福祉法人進和学園及び連携福祉施設 就労系事業推進管理業務 |
(注)「湘とまと工房」及び「Little Tree(リトルツリー)」は、(株)研進の登録商標です。
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私達は、環境変化に対応すべくホンダ車部品事業を中心に据えつつ、作業種の多角化に取り組んでいます。2024年度決算における進和学園の作業会計(売上高・支払工賃)実績を、ご参考までご案内申し上げます。
売上高は、3億4,248万円(前年比+5.2%)と拡大する一方、支払工賃(前年比▲5.0%)は減少しました。ホンダ車部品は、売上高・支払工賃共に増収しましたが、その他作業種において、利用者の一般就労(企業へ就職)や他部門への異動による要員減により支払工賃の総額が減ったという事情があります。また、昨今の物価高騰や人件費の上昇により、原料仕入や諸経費が嵩み、特に、自主製品(食品加工、製パン・菓子等)は、厳しさを増しています。売上高のみならず、平均月額工賃や工賃還元率が重要な指標となりますが、作業会計の実績を分析して課題を洗い出し、今後の取り組みに活かして参りたいと思います。
▶ 進和学園 2024年度作業会計(売上高・支払工賃)実績(PDF)
(注)製パン(ルネッサンス)は、2024年度の新規事業であり、支払工賃は他から補填しています。
Honda様により、2023年度に工賃単価の大幅アップを実施頂くと共に、最近の最低賃金上昇を踏まえた調整により、ホンダ車部品組立の全体に占める割合は、売上高・支払工賃共に拡大しました。Honda様の親身なるご支援に、心より感謝申し上げます。
ホンダ車部品に従事する利用者(障害者ご本人)は、2022年度以来、63名(進和学園のみ/小田原支援センターを除く)を維持しています。支援職員も3年連続で16名体制を組み、内、4名(+2名)は、公的資金ではなく作業会計による配置となっています。自働車部品の小組立という分野は、技術革新や合理化、更には、EV化の流れにより低下傾向にありますが、2023~2024年度は、一定盛り返しました。売上高に占めるホンダ車部品の割合は約31%(+1%)ですが、支払工賃については約45%(+4%)を依存しています。
売上高が伸びても、諸物価やコスト上昇により工賃確保に窮する現状が顕著となっています。特に、自主製品(製パン・菓子類、給食、食品加工等)の採算は厳しさを増しています。
尚、売上高3億4,248万円の内、研進が開拓・仲介したもの(過年度分を含む)は、ホンダ車部品に加え、「いのちの森づくり」、通販「湘南とまと工房」、しまむらストアー、湘南リトルツリー、ブルーベリー収穫、その他請負業務(中古エアバッグ、東立化工、ペットグッズ等)を合わせ、1億7,980万円(ホンダ車部品1億668万円/その他7,312万円)で、全体の約52%に当たります。支払工賃では、研進の開拓・仲介案件は、作業会計積立金及び繰越金活用分を含めると70%以上を占めています。
多角化の推進に際しては、利用者数、売上高、支払工賃(総額/一人当たり平均)、工賃還元率(売上高に対する工賃の割合)、職員人件費、その他経費、粗利益(率)等を総合的に分析し、全体を俯瞰する中で評価することが重要となります。
【参考】
・進和学園 2023年度作業会計(売上高・支払工賃)実績
・進和学園 2022年度作業会計(売上高・支払工賃)実績
・進和学園 2021年度作業会計(売上高・支払工賃)実績
・進和学園 2020年度作業会計(売上高・支払工賃)実績