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最低賃金の引き上げと福祉的就労の底上げ ~「労働(雇用)」と「福祉」の格差是正 ~


 最低賃金が今年も引き上げられ、神奈川県では10月4日から時給1,225円(+63円、+5.4%)が適用されます。一方、障害者総合支援法に定める「福祉的就労」では、一部を除いて労働法や最低賃金法は適用されず、企業等における直接雇用による「労働」と「福祉」の格差は拡がっています。
 福祉的就労においても就労継続支援A型事業所(雇用型)の利用者には最低賃金が適用されますが、障害程度が重い方には最低賃金の減額特例が認められており、福祉施設が運営するA型事業所の多くは減額特例を導入しているのが実情です。一方、一般就労やA型事業所の利用が難しい方達を対象とする就労継続支援B型事業所(非雇用型)においては、「労働者」としての権利は保全されず福祉制度上の「訓練生」とされ、支給される工賃は、月額2万3千円台と低迷しています。
 障害者の法定雇用率も引き上げられており(現行2.5%は、明年2026年7月に2.7%に改定予定)、最低賃金のアップと合わせ、雇用契約の下で働く障害者の就労環境は改善されていますが、福祉的就労ではそのような制度上の枠外に置かれ、取り残されているといって過言でありません。

 「みなし雇用」の考え方(図解)20200826.jpg 福祉的就労の底上げに向けた効果的な政策・施策を講ずる必要があります。そのためには、「良質な仕事」の確保が肝要であり、企業に対して福祉施設への仕事の発注を促す奨励策の拡充、特に、「発注」についても一定の要件に基づき、当該発注企業の法定雇用率に加算してカウントする「みなし雇用制度」の導入が有効と考えられます。
 弊社は、第110回労働政策審議会障害者雇用分科会(2021年10月12日)のヒアリング団体に指定され、障害者雇用促進法における「在宅就業障害者支援制度」「特例調整金」を発展させた「みなし雇用制度」の導入を提言しています。


【参考】第110回労働政策審議会障害者雇用分科会議事録(厚生労働省)

 2025年10月3日(金)、福祉施設による森づくりチーム「どんぐりブラザーズ」のメンバーは、湘南国際村めぐりの森の植樹地における育樹(雑草と竹林除去)作業を行いました。
 (社福)湘南の凪mai!えるしい/えいむ、(社福)よこすか黎明会横須賀ヘーメットに研進スタッフ15名が参加しましたが、この日の工賃は、「いのちの森づくり友の会」基金を活用して支給されます。最低賃金をベースに計算していますが、改定を翌日に控えて新たな最低賃金を適用させて頂くこととしました。福祉的就労における平均月額工賃は、上記の通り最低賃金には遠く及ばぬ中で、大変恵まれた「良質な仕事」を仲介出来ることを有難く思います。これも、「友の会」基金にご寄付ご協賛を頂いている多くの企業・団体・個人の皆様のご支援ご厚意のお陰であり、心より感謝申し上げる次第です。